こんにちは、引越しシーズンですね。
引っ越しするときにエアコン取り外し&取付サービスを申し込む方にアドバイスです。
引越し金額の値下げ条件で、冷媒配管をそのまま使用すれば値引きできますよと言われる場合がありますが、今使用している配管をそのまま利用することはほぼ無理で、間違いなく追加料金が発生します。
その理由を説明します。
引っ越し時のエアコン取り外し&取付サービスとは?
大手引越し業者ならまず間違いなく取り扱っているサービスのひとつでエアコンの取り外し&取付サービスです。
日通ではこんなかんじ。
パック工事の中身はこんなかんじ。
この中で配管必要量とあります。
これは【エアコン取付時に冷媒配管を新しく取り付けますよ】ということなのですが、引越し料金の値下げ時の交渉でこの冷媒配管の取り付けを今使用している配管を使用すれば1万円は値引きできますよと交渉してくる営業がいます。
条件はこんなかんじ
- 今使用している配管を再利用すれば1万円ぐらいは安くできる。
- もし使用できない場合は3000円/mぐらいの費用がかかるが、エアコンから室外機までの距離はせいぜい2mほどだから料金もそんなにかからない。
- 今の配管の延長はできない。
だいたいこのような条件を提示されると思いますが、基本的には1度使用した配管は再利用できないので、有無を言わさず新しい配管料金がかかります。
その理由は以下の通り。
冷媒配管が新設になる理由
冷媒配管を一度外すと錆びが始まるので再使用できない
冷媒配管の中はエアコン使用時には基本的に代替えフロンの冷媒が充填されています。
エアコン取り外し時にその冷媒は室外機に封印されるのですが、エアコンを取り外すと冷媒配管内には空気が混入います。
一度冷媒に触れた配管が空気に触れると錆びが進行するので、特別な理由がない限り通常は再利用しません。
冷媒配管は一度加工すると再加工できない
冷媒配管の材料は銅配管です。銅配管は加工もしやすく軽いのですが、経年劣化で穴が開いたり折れたりします。
そのため一度加工して時間がたった配管を再加工するのは望ましくありません。
エアコンの設置条件が同じとは限らない
建物の内見をする場合、エアコン室内機の場所や高さは確認するとは思いますが、案外室外機の置き場所まで確認される方はまれだと思います。
エアコンは室外機が本体といっても過言ではないぐらい室外機の設置場所が重要です。このため引越し前のエアコン取付場所と全く同じ条件でエアコンが設置できる場所は存在しないと考えたほうが無難です。
以上冷媒配管を新規で付け替えなければならない理由でした。
上記の理由に加え、エアコン設置業者の心情として、誰かが加工した古い配管を使用して設置したあとに、もし冷媒が漏れてエアコンが使用できなくなるクレームが発生した場合のリスクを考えると、古い配管をわざわざ使用するよりお金も貰える新しい配管を使用したほうが良いと考えます。
設置業者としてもリスクをとる必要がないので、契約時に既存配管を使用することになっていても有無を言わさず新規配管を使用する場合があります。
なぜこのようなことが起こるのか
単純に引越しの営業がエアコンについて無知であり、営業トークとして値下げしやすいからだと思います。ただエアコンに無知だからといって引越し業者の営業を責めても仕方ありません。あくまで引越し業者の営業ですからね。
まとめ
以上引越しサービス利用時におけるエアコン取付サービスの注意点でした。
今回の内容、実は実際僕が経験しています。エアコン設置業者は有無を言わさず新規で配管を設置していきました。
また、今現在僕が空調関係の仕事に従事しているため、同じ条件で仕事がきた場合でも他人が加工した古い配管は使いたくないのはよくわかります。
引越し料金は人出不足も原因で非常に高くなっていますが、費用を節約できると思って営業トークに載ると余計な金額がかかってしまう場合があります。
基本的には他社と比較し、他社にしかない付加価値を付けてもらう交渉に挑んだほうが賢明です。
それではまた。